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富士山登山 御殿場ルート② 御来光と大砂走り

御来光を目指して

砂走館も赤岩八号館も山小屋から御来光を拝むことができ、山小屋に入るときに御来光を山小屋から拝むか、夜間登山に出かけるか聞かれる。また、明日朝の食事は山頂で御来光を拝んだ後に食べるかどうかを聞かれる。

 

コースタイム(砂走館から山頂まで2時間25分)より時間がかかる私の歩くペースを考えて、余裕をもって0時過ぎに出発。砂走館(3090m)から1時間かけて7合9勺合(標高3400m)の赤岩八合館を通過。

 

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ゆっくりゆっくりと汗をかかないくらいのスピードで歩く。

私は5Lの水を持って登ったのでまだ2L以上の水が余っていたが、大抵の人は3L位の水しか持たないので、山小屋で1泊する場合、山頂までの水は途中で買うことになる。

 

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8合目付近から富士山本宮浅間大社の奥宮の境内になる。以前ブラタモリで、古くから火口にお賽銭が投げ込まれ、火口の凹んだ部分の標高が8合目に相当することから8合目以降が神社の境内になっていると言っていた。なるほど。

 

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3時間半近く歩いて振り返ると結構ヘッドライトの明かりが見える。

私の感覚的には結構混んでると思ったが、テレビでよく見る渋滞の映像に比べれば大したことはない混み具合だろう。もちろん後で知ったのだが、この日がこの夏で1、2を争う混み具合だった。

 

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登り始めて3時間半。ようやく到着。日の出時間は4時半。まだ1時間ある。

どこで御来光を拝むかは考えていなかったので、とりあえず人の流れを観察すると、時計回りに剣ヶ峰(3776m)の方に行く人と、逆回りに朝日岳の方に行く人々がいる。

 

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方角的に東は吉田ルートの山頂と御殿場ルート山頂の中間あたりにある伊豆岳(3749m)だが、私は朝日岳で御来光を待つことにした。

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たくさん人も集まってきた。朝日岳で御来光を待つ人たち。

山頂に向かっているときは体を動かしているので暖かかったが、山頂で御来光を待つ間は体が冷える。手元の温度計では6.8度だった。東京なら真冬の気温だ。ふもとでは30度を超える真夏日であることを考えると、正直寒い。

 

標高100mにつき0.6度下がるので、海抜3700m以上の富士山山頂は、22度以上気温が低い。東京が35度近くでも、富士山山頂は10度くらいかとは思っていたが、予想以上に寒かった。f:id:duketogo13:20181118232734j:plain

雲海もすばらしい。ただ、ちょっと曇りがちで御来光が拝めるかは微妙かもしれない。

 

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御来光。まぶしかった。涙は出てこなかったが、しばらくぼう然と立ちつくしていた。

大動脈解離から5年。思えば、私が登山を始めたのは2012年9月に日光男体山に登ったのが始まりだった。2013年7月にまた男体山に登って、その1か月後に倒れた。男体山に登れるくらいまで体が動くようになったと、みたび男体山に登ったのは2015年10月だった。男体山の後は富士山に登りたい。そう思ってから3年近くが経っていた。

 

 

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御来光の余韻からさめると寒い。というわけで、カップラーメンを作ることにした。

うわさには聞いていたが、気圧の関係で沸点が低くなり(88度で沸騰してしまう)、アツアツのカップラーメンは作れない。長い時間置いておくと、気温が低いためぬるくなってしまう。そんなわけで、ちょっとかためのカップラーメンになったが、山頂で食べるカップラーメンはうまい。

 

私は山頂でカップラーメンを食べるときは、必ず日清のカップヌードルを持っていくことにしている。解離で倒れて以来、基本的にラーメンの汁はあまり飲まないことにしているが、山登りの時だけは全部飲むようにしている。そして全部飲むならカップヌードルに限る。

 

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気圧が低いため、ポテトチップスなどもパンパンにふくれるというが、ドリップコーヒーの袋も同じようにふくらんでいた。

山頂で食べるカップラーメンとコーヒーは格別だ。それが富士山の山頂というならなおさらだ。

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お湯を沸かしたりする場所があるのか不安だったが、御来光を待っているど真ん中や通路をふさぐような場所でなければ、いくらでも場所はある。ただ、風が強いので石で囲うなどして風を防ぐ必要はある。

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火口はでかい。お鉢巡りは1時間半かかる。

最高峰の剣ヶ峰を目指してお鉢巡りを始める。

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すぐ隣に富士宮ルートの山頂があり、富士宮ルート山頂には山小屋 富士館があり、富士山本宮浅間大社の奥宮があり、山頂郵便局もある。

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左奥には山頂郵便局がある。山頂の消印でも押されている記念のはがきでも出しているのかと思っていたが、あとで知ったのだが、登山証明書(500円)を発行してくれるらしい。名前を入れてくれるようなので、ものすごい行列ができていた。

私の目当ては、右側の奥宮の御朱印御朱印帳。

 

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御来光を拝んだ人々が一気に押し寄せたようで、激混みだった。

車を運転する身内用に交通安全お守りをいくつか買い、バイクのトップボックスに貼るため、交通安全ステッカーも買った。f:id:duketogo13:20181119001202j:plain

富士山山頂でしか手に入らない富士山本宮浅間大社頂上奥宮の御朱印帳。

3000円。一般的なオリジナル御朱印帳が1500円~2000円くらいであること、ペットボトルが500円の山頂であることを考えるとしょうがない価格だろう。

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たくさん種類があり、何にするか決めていなかったので、オーソドックスなものにしてもらった。1つ1000円だったか。天皇在位30年の御朱印は、そう言われればそうだったと押印してもらった。平成の印は今年で終わりになると思うと感慨深い。

 

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目指すは最高峰の剣ヶ峰。混んでいるようだ。

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この「日本最高峰富士山剣ヶ峰」地点で記念撮影するために、約35分並んだ。

このときは、こんなものかと思っていたのだが、この日は富士山登山者が一番多かった日(7656人)とのこと。普通はここまで人が多くはない。

前の人の写真を後ろの人が撮ってあげるという暗黙のルールが出来上がっていて、トラブルもなく記念撮影が行われていった。

 

御来光を待っていたときの装備のままなのでかなりの重装備だが、この時点で気温は10度を超えていたので、この装備では汗ばむほどであった。

参考までに①スーパーメリノウール EXP(モンベル)上下

     ②ウィンドストッパージャケット(マムート)

     ③U.L.ダウン(モンベル

     ④ゴアテックスジャケット(マムート)

     ⑤ネックウォーマー

     ⑥ニット帽

     ⑦冬用手袋(モンベル

ちなみに、昨日の砂走館まではメッシュ長袖シャツ1枚でのぼり、山頂までは①②④で登り、山頂についてからフル装備になった。

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お鉢巡り。幻想的な景色が広がる。

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山々から富士山が見えるように、富士山からもその山が見える。方角的にはアルプスの方だと思うのだが、あまり詳しくない私にはどれがどの山だかわからないのが残念だ。

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山中湖方面は幻想的に山々が連なり、雲海もみえる。

まるで飛行機の窓から外を見ているような景色だ。

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富士山頂上久須志神社。時間帯もあるだろうが、富士宮口山頂の浅間大社奥宮の混み具合に比べるとガラガラだった。おなじ富士宮市にある富士山本宮浅間大社の富士山山頂奥宮なので御朱印帳は同じものがある。御朱印も久須志神社のものもあるだろうが、同じものもあるだろう。

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お鉢巡りも1時間程が経過した。まだ2/3、いやあと1/3.

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山頂から見た吉田口山頂を目指す人たち。

さすがに朝7時半過ぎともなるとそれほど混んでいないが、山頂は・・・

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混んでる。

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なんと。自動販売機があるとは思わなかった。このときはのどが渇いていたので、キンキンに冷えたものが飲みたくて三ツ矢サイダーを買ったが、思ったよりも冷えてなかった。一応電気で動いてはいるようだが、温度設定は高目のようだ。川の水で冷やしたような中途半端な冷たさだったが、富士山山頂で過度な期待をした自分が愚かだった。

 

ほんとはカルピスウォーターが飲みたかったのだが、売り切れだったので三ツ矢サイダーにした。もちろん500円。缶の方は400円。

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トイレについて。

山小屋にはトイレがあるが、300円が基本だ。山小屋に宿泊する人はその山小屋のトイレは無料で使用できることが多いが、水も貴重なので、手を洗う水は雨水をためたものであることが多い。バイオトイレが多いらしい。

すべてが同じ方式ではないのでわからないが、私が利用したのは砂走館のトイレで、大便をしたあと、紙は別途設置のゴミ箱に入れたような気がする・・・

汚いことなのであまり覚えていない。バイオトイレでボタンあったかな?

紙は置いてあると思うが、用を足しているときに紙がないことに気付くパニックになるのでティッシュは絶えず持っていた方が良い。

 

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御殿場口下山道。登ってきたときは真っ暗で何も見えなかったが、こんな感じだったのか。

 

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写真を撮ったり、靴の紐を結び直したり、着替えたりして下山準備をして、8時20分下山開始。宝永山がみえる。

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 8合目の赤岩八合館

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赤岩八合館で大砂走りに備えて、ゲイターを装着し、ネックウォーマー兼キャップをマスクとして使用。軽い靴ずれになっていたので、バンドエイドの靴ずれパッドを付けてテーピングを巻いてと準備をしていたら40分ぐらい経ってしまった。

そんなにおなかも空いていなかったので、砂走館で朝ご飯を食べる予定だったが、そのまま大砂走りに突入することにした。

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 大砂走りに入っていく人たち。

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では私も。

写真は撮らなかったが、実はちょっと道を間違ってしまい、登山道以外のところを突っ切るというハプニングがあったが、無事大砂走りに合流。

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見ての通り砂場だ。砂場の中に結構石が混じっているが、思ったより危なくない。

走るというよりは大股で歩く感じというか、テレビで見る月面歩行みたいに前方に飛び跳ねる感じで不思議な感じだった。

足首まで砂に埋まるのでスパッツはあったほうがいい。
サングラスやタオルで顔を覆っている人も多い。飛び跳ねるせいか、タオルが2枚落ちていた。そのままにしていても誰も拾わないので、拾って登山口のインフォメーションに届けた。

 

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遠くの方に駐車場が見える。

結構遠いが、ほとんど休憩なしにひたすら走る。というか、大股で飛び跳ねるように歩く。

 

登りは7合目まで6時間半かかったが、下りは大砂走りのおかげで1時間40分ほどで下れた。特に急いだわけではないのだが、登りのように休憩を取らなかったので早く着いたのかもしれない。

 

ただ、最後の方は足が痛くなってきた。テーピングを巻いたが、やはり軽い靴ずれになっていた。皮がむけるほどではなかったが、柔らかくなっていて少し痛かった。

大石茶屋ではカギ氷は食べなかったが、コカコーラを飲んだ。大石茶屋まで下りてくるとさすがに暑い。

 

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駐車場が見えるとさすがにホッとした。

山と高原地図アプリでのGPSによると、

1日目 8:31 登山開始 15:58 砂走館到着

    登り 7時間 休憩26分

2日目 0:25 砂走館出発 3:34 御殿場口頂上(3時間9分)

     8:19 御殿場口頂上出発

    11:39 御殿場口新五合目到着

   山行 8時間39分 休憩 2時間30分

 

登りは休憩しまくっていたのに、26分としかカウントされていないわりには、ほとんど休んでいない2日目が2時間30分の休憩になっている。

2日目の休憩は、御来光待ちの1時間と剣ヶ峰待ちの40分、あとおそらく浅間大社奥宮での混雑で20分くらいだろうか。

 

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四国お遍路で使った無地の白衣を持って山頂に行き、一番大きな直径22cmの御朱印(2000円)を白衣の背中に頂いた。江戸時代の登山者になった気分だった。

 

帰り道の東名は3連休の最終日ということもあり、渋滞だったことは言うまでもないが、そこはバイクの強み。車の半分以下の時間で帰れたと思う。

 

富士山はやはりいいものだ。ぜひまた登りたい。