平和湯(川崎区渡田新町)
サウナイキタイで「現在地から探す」。
自宅周辺の銭湯が表示される。うん、ここは知っている。ここも知っている。
ん?、ここは知らないぞ。あれ?あの銭湯が載ってない。
サウナイキタイはサウナしか載っていない。サウナがない銭湯が検索結果に出てこないのは至極当然のことだ。
その中に「平和湯」があった。聞いたことはない。当たり前だ。銭湯とは地域住民が日常生活の中で歩いていく場所であって、わざわざ車で銭湯に行くようなことは普通はない。昭和40年代生まれの私が子供の頃は、家に風呂がないのが当たり前だったので、近所の銭湯によく行ったものだったが、家風呂が当たり前の現在となっては銭湯に行く機会はめっきり減ってしまった。
今は風呂に入るためというよりはサウナに入るために銭湯行くということになっているが、サウナを主眼において銭湯に行くのも新しい発見があって面白い。
炭酸風呂に入らないでサウナだけなら2時間もかからないだろうからと、21時前に家を出た。京町通りや市電通りは行きなれた道であるが、渡田新町は踏切があるため、あえて踏み込むところではなかったので、なかなかの穴場だ。
とはいえ、土地勘のある場所なので迷わず到着。駐車場はなさそうだ。入口には「隣の駐車場は違うので停めないでください」的な貼り紙がしてある。サウナイキタイでも「ロッキーサウナがあって行ってみる価値あり」と思わせるサ活書き込みがあったりするので車で来る人もいるのだろう。
近いとは言っても自宅から2kmほどあるので私は原付2種で来訪したのだが、入口の通路に駐輪スペースがあるのでそこに原付を止める。大型バイクも止められないこともないと思うが、混んでいたら大型は迷惑かもしれない。
見えている下駄箱は、銭湯では一般的な木札鍵の下駄箱だ。
通常、銭湯だと下駄箱があっても常連は下駄箱を使わずに、玄関にサンダルをそのまま脱ぎ捨てていくことも多いのだが、今日は玄関に置かれたサンダルは一足もなかった。
中に入るとフロントがあり、そこで料金を支払うのだが、銭湯に来たにもかかわらず、「大人1人、サウナもお願いします」と言うべきだったが、「すみません、サウナお願いします」と口走ってしまった。フロントのご主人は、「ん?」というような顔をしたが、すぐに察してくれて、「590円です。下駄箱の木札とサウナ室の鍵は引き換えになります」と言ってくれた。
神奈川県の銭湯代は現在490円。調べたところ、東京が480円らしいのでついに神奈川の方が高くなったか。とはいっても、サウナ代100円は至って良心的だ。浅田湯などは490円でサウナにも入れる。たつみ湯も200円だし、200円程度なら良心的だろう。500円を超えてくると1000円クラスになるので満天の湯クラスとの比較になってくるが・・・
麦飯石なるものが積んであるところからお湯が出ていた。私が子供の頃に行っていた銭湯にも「ラジウム温泉」とか言って同じようなものがあったのを覚えている。
あと白濁の湯もあったが、麦飯石湯に2~3分入っただけですぐにサウナに行った。
ロッキーサウナ
2段作りのこじんまりとしたサウナの定員は6名とのことだが、で上段に座ると下段に座った人の背中が足に触れるのではないかと思うくらい段の幅が狭かった。3人くらいがゆったり入れる人数だろう。テレビがついている。スーパー銭湯のような大きなテレビではなく20インチくらいだろうか。テレビの脇にデジタルの12分計がある。
いままでそう多くのサウナに行ったわけではないが、アナログ式ではない12分計をみたのは初めてだった。アナログ式だと針の位置で視覚的に認識できるが、デジタル式だと頭の中で計算しなければならないので、12分計はアナログ式の方が好みだ。
ロッキーサウナって何だろう。思わずググってしまった。
山のように積み上げた石を熱するロッキーサウナ。
高温で乾燥したサウナ室で汗を流すのではなく、ほどよい湿度を保ち、自然に汗を流すのが快適なサウナです。 熱源はガス、たっぷりとサウナストーンを積み上げ、ロウリュを楽しめるサウナヒーターです。
「株式会社メトス 製品情報より」
確かに、石が積んである。サウナイキタイによると5分ごとにオートロウリュが発動するという。サウナストーンが積まれている一角の照明が点く。金属のストローのような
管から水が流れ落ちてサウナストーンに注がれる。じゅわ~~っと焼け石に水が当たる音が鳴り響く。少し時間をおいてじわっと熱気が伝わってくる。デジタル12分計で測ってみたが、5分でもなく4分でもなかった。4分30秒くらいの感覚でオートロウリュが発動しているようだ。
ただ、そのおかげでサウナ室の温度は76℃だったが、思ったよりも発汗が進む。満天の湯のサウナ室も75℃くらいで、同様にオートロウリュが発動するが、あちらは30分ごとであるのに対し、こちらは約5分ごとだし、蒸気の出てくる場所が満天の湯のように天井付近ではなく、真横なので熱気がダイレクトに来る。10分間堪能して出る。全身用シャワーが1つあるが、先客ありだったので、洗い場のシャワーで汗を流して水風呂へ。
水風呂はサウナイキタイにはバイブラ付きと書かれていたが、何のことかわからなかったが、一目で納得。これをバイブラというのか。ジェットバスと言った方がイメージしやすい。横噴射タイプではなく、足元から噴射するタイプ。バイブラタイプの水風呂も初めてのことだ。温度の羽衣が崩れるのではとおもったが、今日はあまり気にならなかった。肝心の水温は約16℃。冷たい。ものの本によると水風呂は16℃~17℃が最適らしい。
まだ数か所のサウナにしか行ったことがない新参者の絵私だが、17.5℃だと少し物足りなく感じ、16.5℃だと冷たいと感じた。17℃だと2分入っていられるが、16℃だと1分ぐらいで十分に感じた。16℃~17℃が最適というのは実に納得のいく温度であるが、±1℃でこれほど体感温度が変わるかとも思った。大きな施設だと水風呂に多くの人が頻繁に出入りするから温度の変動も大きいだろうが、この平和湯くらいの規模だとそれほど人の出入りも多くないだろうから水温の変動もそれほどないだろう。
水風呂の後のととのいタイムだが、もっともととのいを感じるのは水風呂を出てからの2分程度らしい。水風呂を出てととのい椅子に座る。腕をだらんと下げて力を抜いて目をつぶる。じわ~と何とも言えない幸福感に包まれる。浴室側にはととのい椅子が1脚しかなかった。みんなで譲り合って使ってくださいとも書いてあるので、2~3分だろうか、いわゆる真正ととのいタイムと思われる時間を過ぎたらととのい椅子を離れて洗い場の椅子に移動した。
サウナ利用者は私を含めて5人程度いたと思うのだが、私が見ていた限り、浴室内のととのい椅子を使用していたのは私以外にいなかった。他の方々はどこでととのっていたのだろうと不思議に思ったのだが、後でサウナイキタイを見たら脱衣所にベンチ6脚があったらしい。出るときに脱衣所にととのい椅子がもう1脚あったのは気付いたが、ベンチはわからなかったので、次回行ったときに見てみようと思う。
浴室から脱衣所側までととのいに来るというのは今までなかったので想定していなかった。体を拭いたとはいえ、裸で脱衣所に入ってきて椅子に座ってととのうという光景はまだ想像できないが・・・
また、浴室内に水分補給ができる場所はなかったようだが、脱衣所まで戻れば当然自販機があって水分補給はできる。水風呂の後のととのう場所と水分補給ができれば、この平和湯は銭湯サウナ最強ともいえるかもしれない。
いい場所を見つけた。川崎駅から自宅までの途中に申し分ないサウナと水風呂を見つけた。銭湯サウナの良いところは混んでいないところだ。サウナ巡りをしている人がたまに来ることはあるだろうが、毎日来るわけではないだろうから、毎日来る人は限られるだろう。フロントの方々と顔見知りになるくらい通えたらいいなと思った。