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お遍路とは

お遍路とは、元来、弘法大師ゆかりの寺や修業した寺、修験者が修業した寺など八十八箇所を定め、その八十八箇所の寺を巡り納経することによって功徳を積んで仏様とつながり、願いをかなえることができるといわれた信仰の旅であった。

 

今でも先人たちに思いを馳せながら旅をしたり、俗世と離れて自分を見つめ直すためだったり、自分探しの旅であったりとその趣旨が必ずしも純粋に宗教的なものとは限らないが、お遍路はいわゆるご朱印集めとは違う、何か目的を持った人が行う巡礼の旅である。

 

弘法大師空海真言宗の祖であるため、札所は真言宗の寺が圧倒的に多いが、天台宗臨済宗曹洞宗の寺も含まれている。

また、ご本尊も如来観音菩薩不動明王など多岐にわたるが、すべての寺に大師堂があり、弘法大師が祀られている。

 

ほかの霊場巡拝と異なり、本堂にお参りしたあとで大師堂でもお経を唱える。

また、ほかの霊場では鐘楼を打てることは少ないが、八十八箇所ではほとんどの札所で鐘を打つことができ、心の中に響き渡る鐘の音に浸ることができるのも嬉しい。

 

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参拝の流れ。

①山門で脱帽して合唱する。菅笠の場合は脱がないでよい。

 

②手水場(ちょうずば)で清める。

まず右手で柄杓を持ち左手を洗い、柄杓を左手に持ち替えて右手を洗う。

次は再び柄杓を右手に持ち替え、左手に水をためて口をすすぎ、最後に柄杓を立てて残った水で柄を清める。以上を1杯の柄杓の水で行う。手ぬぐいが置いてあるところもあるが、手を拭くために手ぬぐいを持っていくとよい。手ぬぐいは各札所で300円~500円で売っている。

 

③鐘楼に行き、来ましたよと知らせるために鐘を打つ。

10円程度のお賽銭を入れ、鐘を打つ前と打った後に合掌する。

もし、鐘楼が見当たらず、本堂と大師堂にお参りを済ませた後で、ほかの人が鐘を撞いているのを聞いたとしても、戻り鐘は縁起が悪いと言われているので、お参り後に鐘を打ってはいけない。

 

④本堂にお参りする。

 まず、ろうそくを1本立て、線香を3本立てる。後からお参りする人のことを考えて、ろうそくは上段から灯し、線香はなるべく香炉の中央に立てる。それから納札(おさめふだ)を納札入に入れてお賽銭を入れる。半鐘(お賽銭箱の上にある小さな鐘)がある場合は、お賽銭を入れた後に軽く打つ。

 

次に納経を行うが、写経してきたのならば納経箱に入れる。納経する数が多いので、お経を納める代わりに読経を行う人の方が多い。読経は他の参拝者の邪魔にならないよう、本堂の脇などで行う。

 

読経の内容や順番はこうしなければいけないという決まりはない。

一般的には開経偈(かいきょうげ)からはじまり、般若心経やご本尊の真言や御宝号を唱え、最後に回向(えこう)を唱えて終わる。

全て唱えると30分くらいはかかる。

お遍路をする人はお経を覚えている人も多いが、お経を暗記していても経本を開いて読経するのが正しい作法とされている。

 

私も事前に般若心経と光明真言くらいは暗記していったので、読経に関してはスムーズにできたと思っている。

私が実際に唱えたのは以下のお経だが、シンプルなので初心者におすすめする。

 

   1.般若心経

   2.ご本尊真言  3回

   3.光明真言      3回

   4.御宝号          3回

 

⑤大師堂にお参りする。

大師堂でも本堂と同様にろうそくを1本立て、線香を3本立てる。納札とお賽銭を納めだ後、邪魔にならない位置で読経するのも同じである。ただし、大師堂ではご本尊が弘法大師なので、本堂で唱えたご本尊真言は唱えない。

 

私の場合、

   1.般若心経

   2.光明真言   3回

   3.御宝号   3回

となる。

 

⑥納経所で御朱印をもらう。

本堂と大師堂にお参りを済ませたら、納経所で納経帳に御朱印をもらう。掛軸や白衣にもらってもよい。

納経帳へのご朱印は300円、掛け軸だと500円、白衣だと200円だが、八十八箇所あるのでかなりの金額が必要になる。納経所では花びらの形をした散華(さんげ)が配られることもある。また、御影(おみえ/おすがた)というご本尊の絵が描かれたお札ももらえるので、御影帳を持っておくと整理できる。

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御影(おみえ/おすがた)帳

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御影帳に御影を収納。

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 平成28年の閏年は逆打ち(88番札所から回る)の年で記念散華が配布された。

 

 御朱印帳は棺桶の中に入れてあの世に持って行くものとされ、掛軸は家宝として代々受け継ぐべきものとされている。白衣にもらった場合は、死に装束としてあの世への旅立ちに着せてもらう。

 

 なお、納経所は7時〜17時の間開いており、昼休みもほとんどのところで納経をしてくれる。秩父三十三箇所観音霊場は逆にほとんどの札所で昼休みは受付けてくれないので注意が必要だ。

 

四国お遍路は多くの人が白衣を着てお経を唱えるが、西国三十三観音や坂東三十三観音秩父三十四観音霊場ではお経も唱えず、お参りもせずにスタンプラリーのように納経所だけに行く人もいる。

 

四国お遍路だけでなく、百観音霊場(西国・坂東・秩父)は旅行会社がツアーを組んで団体でお遍路をしていることも多い。先に来て読経しているのに、後から来た団体が先に納経所で納経帳を出してしまい、お参りしたあと30分以上待たされるなんてこともよくあることなので、空気を察して、納経帳を先に渡しておくというのも場合によってはありだと思う。

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歩き遍路でも標識がたくさんあり、迷うことは少ない。

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香川県に入ったらやっぱり讃岐うどんは食べたい。

76番札所 金倉寺近くにある釜あげうどん 長田 in 香の香のたらいうどん。

 

お遍路の全行程は約1400kmと言われ、1日20~30km歩くとして2か月くらいかかると言われる。車で10日~14日ほどと言われている。バイクだと頑張れば10日くらいで結願できるだろう。

 

無事結願したら、高野山 奥の院にお礼参りに行く。

高野山にお礼参りに行く際は、宿坊を予約して、九度山から約20km道のりを町石道を行きたい。

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