富士山の開山期間
年によって10日程度動くこともあるようだが、7月~8月の2か月と思っていれば間違いない。
マイカー規制
御殿場ルート以外は開山中マイカー規制が行われる。
吉田ルート:富士吉田IC付近の山梨県立北麓駐車場からシャトルバスを利用
須走ルート:道の駅すばしり付近の須走多目的広場駐車場からシャトルバスを利用
駐車料金は1回1000円で、シャトルバスは往復1800円。
御殿場ルートはマイカー規制が行われない。駐車場も無料。
富士山にはどれくらいの人が登るか
今年は富士宮ルートで1か月近くカウンターの不具合で人数がカウントできなかったようだが、おそらく25万人くらいが登ったと思われる。
そのうち、御殿場ルートは1.2万人くらい、つまり5%程度であろう。
マイカー規制がないため、車で新5合目まで行くことができ、無料駐車場もある。全体の5%程度の登山者なので御殿場ルートは比較的空いている。その代り、ほかのルートと比べて距離が1.5倍くらいあり、山小屋の数も少ない。
参考までに平成29年の全登山者(284,862人)の登山道別内訳は吉田ルート(60%)、富士宮ルート(25%)、須走ルート(8%)、御殿場ルート(7%)。
もっとも、いくら御殿場ルートが空いていると言っても、7月~8月の土休日に予約しないで山小屋に泊まれるかどうかはわからない。私がお世話になった砂走館でも、当日空いてないかとかなりの人が問い合わせしていたが、もう満室だと断られていた。
4つの登山ルート
※コースタイムは山と高原地図に基づく。
吉田ルート:富士スバルライン五合目(2305m)
ルート長 14km
標高差 1470m
コースタイム 登り5時間55分(剣ヶ峰まで+50分)
下り3時間35分(剣ヶ峰から+45分)
ルート長 11km
標高差1400m
コースタイム 登り5時間10分(剣ヶ峰まで+20分)
下り3時間30分(剣ヶ峰から+15分)
須走ルート :須走口五合目(1970m)
ルート長 13km
標高差1800m
コースタイム 登り6時間45分(剣ヶ峰まで+50分)
下り3時間(剣ヶ峰から+45分)
御殿場ルート:御殿場口新五合目(1440m)
ルート長 19km
標高差2300m
コースタイム 登り8時間20分(剣ヶ峰まで+20分)
下り3時間30分(剣ヶ峰から+15分)
お鉢巡り :約2.6km(1時間30分)
御殿場ルートで富士登山
平成30年のもっとも登山者が多かったのが海の日の前日である7月15日(日)だった。私が登ったのはその一番混雑していた日だった。海の日に山に登るのも悪くない。
いつもなら、東名を走っていると富士山が見えるのだが、この日ははっきり見えたのは御殿場インターを降りてからだった。ご覧の通り、頂上から2/3くらいのところに雲がかかっていたので、下から登っていると曇っていて視界は悪かった。
御殿場口新五合目 第一駐車場。登山口にいちばん近い第一駐車場は閉鎖されて観光案内所や売店になっている。バスとタクシーは登山口付近まで登ってくれる。
御殿場口新五合目 第二駐車場(110台)。バイクは第二駐車場に専用スペースがある。第三駐車場は270台。
先にあげた報道発表資料によると、御殿場ルートの平日平均登山者は160人、土休日で324人。ちなみに一番人気の吉田ルートが平日1704人、土休日2984人であることと比べると1/10以下である。御殿場ルートは8/5(日)に最大カウントの985人を記録しているが、御殿場ルートは車で来る人が多いと思われるので、8/5は駐車場が一杯になったものと予想される。私が登った7/15も全体の登山者数が今年一番(7656人)だったようなので、御殿場ルートも985人まではいかなくてもかなり多かったと思う。
登山口の前で富士山保全協力金の窓口(仮設テント)が設置されていた。
「入山料払います」と言うと「富士山保全協力金です」と訂正されてしまった。
保全協力金(1000円)を払うと登山口によって色が違う缶バッジがもらえる。
山梨県だけは木札がもらえる。木札の方がかっこいい。
標高1440m。8時30分登山開始。7合5勺の砂走館(3090m)で1泊するので、コースタイムは6時間ほど。コースタイムより時間はかかると思うが、15時~16時くらいには到着するだろう。
序盤は砂利が混じりの砂場みたいで非常に歩きにくい。
10分ほどで大石茶屋へ。たった10分しか経っていないので休憩せずにそのまま通過する。どんぶりかき氷(3000円)が有名らしいが、いくらなんでも一人じゃ頼めない。かき氷は食べるにしても帰りだろう。
2000m付近の雲に入るまでは晴れ間も見えた。トレイルランの人がたくさんいた。ペットボトル1本だけの人とかすげぇなと思いながら見ていた。富士登山競争に出るためのトレーニングだろうか。すごい人たちもいるもんだなと感心しながら、私は自分のペースで登っていった。別に速いことが偉いわけではない。競争に出るわけでもない私は、タイムを競っているのでもなければ、誰かのために登っているのでもない。自分のペースで登っていけばよいのだ。
時折晴れ間も見えたが、10時30分、2000mの標識を過ぎたあたりから、雲の中に入ったため真っ白になった。
2500m付近で雲を抜けると視界が開けた。左手には大砂走りを駆け下りる人たちが米粒のように見える。私が今まで登った中で一番高い山が日光の男体山(2486m)なので、この辺で自己最高標高を更新した。
13時過ぎに新六合目(2590m)に到着。ここまでコースタイムで3時間45分のところ、4時間半かかっているので、コースタイムの120%も時間がかかってしまったが、時間的に余裕をもって出発しているので問題ない。雲を抜けたと思ったら、また雲に覆われたりと、雲の流れは速い。新六合目から、7合5勺(3090m)の砂走館まではコースタイムで2時間10分。4時くらいには着くだろう。
この辺りではもう完全に雲を抜けて、青空が見えた。
新六合目の手前あたりから左に宝永山(2693m)が見える。宝永4年(1707年)に噴火した富士山で一番最後に噴火した火山らしい。
富士宮ルートから宝永山を経由して御殿場ルートに合流してくる人たちが見える。プリンスルートと言われているルートらしい。平成20年(2008年)に皇太子が富士登山されたルートであることからその名がついたらしい。
このプリンスルートで富士宮ルートから合流してくる人たちがいるので、御殿場ルートの山小屋も混みあうようだ。頑張って御殿場口から登った人だけのご褒美ではなく、割り込みされたようで少し悲しい気もする。
15時30分。登山開始から7時間。ついに標高3000m地点に到達。目的地の砂走館の標高が3090mなのであと一息。
7合目(3030m)は休業中の山小屋 日の出館。
7合4勺(3050m)はわらじ館。2018年時点で、このわらじ館から上で営業している御殿場ルートの山小屋は、わらじ館(定員45人)、7合5勺(3090m)の砂走館(すなばしりかん)(定員150人)、7合9勺(3290m)の赤岩八合館(定員150人)の3つだけである。
報道発表資料より
御殿場ルートにあるこれら3つの山小屋の定員は合わせて345人。御殿場ルートはトレイルランの人が多く、日帰り登山のつわものが多いと思われるので、プリンスルートからの流入を考えても平日なら山小屋の定員に余裕がありそうだ。
御殿場ルートの今年(平成30年)の最大登山者数は8/5(日)の985人だったが、4つのルート全体での最大登山者数は7656人だった7/15(日)だった。この両日は御殿場ルートの山小屋も満員だっただろう。
砂走館に到着
16時にようやく7合5勺(3090m)の砂走館に到着。
私は山小屋に泊まるのは初めてだったので何もかもが新鮮だった。
人がたくさんいたので山小屋の中は写真が撮れなかったが、満員状態だと畳2畳で3人が寝る(上のイメージ)。
私が山小屋の予約をしたのは3週間前の6月25日だった。御殿場ルートは人が少ないから3週間前でも大丈夫かと思っていたのだが、7月14日(土)、15日(日)、16日(海の日)の3連休はさすがに混んでいた。当初は7/14(土)にしようと思ったが、赤岩8合館、砂走館ともに満室で予約できず、7/15(日)の砂走館ならまだ空きがあるとのことで予約を入れた。砂走館と赤岩8合館は姉妹店で予約電話は同じ番号なのでどちらでも予約が取れる。
山小屋に到着してから軽い頭痛になったので、これが高山病の症状なんだろうなとなんだか少しうれしかった。夕食のカレーは食べ放題だったが、まだ少し頭が痛かったのでおかわりはしなかった。トイレは宿泊者は無料で使用することができる。
日の出は4時30分の予定だったので、私の登るペースを考えて0時ころに出発することにした。初めての山小屋とついに富士山に登っていることの興奮からあまり寝付けなかったが、体を休めようと横になって目をつぶった。ライダーハウスでも入院中の病室でもそうだが、いびき持ちの人が近くにいると地獄である。この砂走館では畳2畳に3人という状態だったが、幸い私の近くにはいびき持ちの人はいなかったので助かった。